ーこの世に生を受けていればー
もしも、あの時の子がこの世に生を受けていれば、あなたにそっくりのいや、あの人にうり二つの子が誕生していたでしょう。
やがて、片言の言葉を覚えて「パパ」「ママ」と寄りそって泣いたり、笑ったり、立ったと云っては喜び、歩いたと云っては手をたたき無邪気なしぐさに多くの想い出を残してくれたでしょう。
かわいい園児服の女の子に、あるいはあの人そっくりの男の子に育っていたかもしれません。すみれの花咲く公園に、桜の花咲く校庭で楽しい写真を残していたかもしれません。

あなたを頼りに、あなたの胎内に宿ったけれども、言葉に云えない事情があって、この世に生を受けることはできませんでした。
あなたが今「供養したい」とのお気持ちを持たれた経緯は様々でしょうが、あなたがいつか天寿を迎え浄土へ旅立った時、かわいいあなたのお子さんと笑顔で再会できるよう願いを込めて祈りましょう。
たとえ水子と申しましても、あの世に生きていることには、今、この世で生活している私たちと何ら変わりありません。
私たちもやがては仏の国へ旅立っていきます。

どんなに時が流れてもあの子はあなたの子に変わりはありません。
「産んであげられないでごめんなさい」と心から詫びてください。あなたの涙は、あの世で生活しているかわいい子の命の涙です。あなたを許してくれるでしょう。
許されたあなたの心は安らかになり、そして同時に、お子さまにその気持ちが伝わることが何よりの供養です。

供養とはあなたの心を伝えることです。
法要とはあなたのこれからの未来です。